長らく書いていませんでした、リッケンバッカーの
ヒストリア その3です。
< Rickenbacker 4001 >
所謂、市井の人々が 『リッケンバッカーベース』と呼んでいるものは
形状的にはこの4001が原型です
現在新品として入手可能な4003は、一言で言ってしまえば
この4001のトラスロッド(ネックの中に入ってる鉄の棒)の
強化型というだけで、あとはほとんど同じです。
意外と知られていないのですが、4001も前回紹介した4001Sと同じく
1961年のデビューです。つまり、RIC社はほぼ同時に2種類の新作を
世に送り出したことになります
次世代型4003に完全交代し、製造中止となる1986年までの間
4001は実に25年間も製造され続けたことも、冒頭のイメージを
創り出した理由でしょうね
因みに、現行型4003の登場は1979年ですから、1986年までの
8年間は、4001と4003の2種類が製造されていたことになります
ご紹介の通り、わたくしは4001と比べると圧倒的にマイナーな
4001S系統(4001V63)の所有者ですので、V63との比較をしていきます
①ポジションマークが三角
V63は一般的なドットマークです
完全に負けですね(笑)三角の方が断然カッコいい!
②バインディング
これもV63にはありません
重要なポイントとして、上のは 『チェッカーバインディング』と呼ばれ
1974年式までに採用されますが、それ以降は下のホワイトバインディングに
変更されます
これは現行の4003でも同じです(写真も現行4003のもの)
誰が見たってチェッカーの方がかっこいいに決まってます
故に、同じ4001の中古市場でもヴィンテージとして高値取引されるのは
このチェッカーバインディングのほうになります
③ネック
4001も4001V63も共通スペックとして、メイプルスルーネックが
挙げられますが、4001は上のようにメイプル+ウォルナットの
3ピースのものと、下のように1ピースのものとが混在します
文献によれば年式によって異なるため、これで古い・新しいを
判断することはできないようです(1972年製は3ピース)
やはり、反りやすい、折れやすいということを意識してのことでしょうか?
④ペグ

これもネック同様、年式によってV63のようにクルーソン社の
オープンバックだったり、写真のようなグローバー社の
クローズド・タイプだったりします
ただ、グローバー採用モデルのヘッドはクルーソンのものよりも
大きさがややコンパクトになっているみたいです
この辺は好みで分かれるところでしょうね
⑤ピックアップ
4001に限ったことではないのですが、前回も書いたような
リアのホースシューピックアップは、1968年にこのハイゲイン
(High Gain single coil)に取って代わられます
ハイゲイン=高出力というだけあって、ホースシューよりも
太めの音色になった、とよく言われています
リッケンベースの代名詞 『ブリッ』 『ゴリッ』というアタック感は
このハイゲインの音色を指すのかもしれませんね
わたくしは4001を実際に弾いたことはないのですが、V63の方が
トレブリーというよりは寧ろ、ハイゲインの中低音域のパワーに
よるところが、結局ヴィンテージPU(ホースシュー等)が
トレブリーという評価を受けているのだと思っています
ま、これもプレイヤーの好みというところでしょうか
因みに、販売当時の4001のフロントPUは、4001S同様
パン焼き器(トースターPU)です
4003ではフロントも全てハイゲインになりますが、4001も
後期型はハイゲイン×2になったのかも知れません
だとすれば、上述したように8年間、4001と4003を同時製造する
意味がどこにあったのか?ということになりそうな気が・・・
ただ、実際にもコレクターではなく楽器としてに4001を弾いている
ミュージシャンは、やっぱり殆どがフロントもハイゲインに
改造しているみたいです
更には、ハイゲインを両方共とっ外して、バルトリーニとか
ダンカンに変えている人も多いですね
オリジナル重視か、サウンド重視か、分かれるところです
その他にも、以前書いたリックオーサウンド(Ric-O-Sound)が
ありますが、私は無用論者ですから、興味のある方はネットで
検索して頂くということで、ここでは割愛いたします
V63を買いながら、贅沢や浮気をしてはいけませんが、
もしチャンスがあるのなら、やっぱりほしいですね~、4001。
フェンダーオールドと同じ価格で売ってたら、迷わず4001ですね!
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